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サリナは小さなアパートの机の前に座り、積み重なった本や書類に囲まれていた。
彼女は長い間忘れ去られていた文明の秘密を明らかにしようと、何週間も研究を続けてきた。
埃をかぶった本をめくっていると、不思議な感覚に襲われた。まるで、ページに書かれた言葉が、その隠された意味を明らかにするよう、自分に呼びかけているようなのだ。
背筋がゾクゾクするような感覚を覚え、自分が今、何かの分岐点に立とうとしていることを感じた。
その時、突然ドアがノックされた。サリナは驚いて飛び上がった。彼女は用心深くドアに近づいて、のぞき穴から顔をのぞかせた。
そこには黒いマントとフードを身につけた、背の高い男が立っていた。
サリナは声を震わせながら「誰ですか…」と尋ねると、その人物は何も言わず、小さな紙をドアに挟んで立ち去った。サリナはそれを手に取り、上品な字で書かれた文字を読んだ。
「24時に公園で会いましょう」
サリナは躊躇したが、新しい知識を得ることができると思うと、無視することはできなかった。誰もいない静かな道を歩きながら、とても不安な気持ちになった。
公園に着くと、オークの木の下にフードをかぶった男が立っていた。
「あなたは誰?」
サリナは尋ねた。
フードをかぶった人物は、男性ではなく長い銀髪に鋭い青い目をした女性だった。
「私の名前はカサンドラ」と彼女は言った。
「文明への興味、知識への渇望は、あなたを壮大な知識の冒険へ連れ出した。しかし、あなたが知ろうとしていることはとても危険であり、それを知られることで不利益を被るひともいるのです。」
サリナは興味をそそられた。
「私が研究している文明について、あなたは何を知っているのですか?」
カサンドラは微笑んだ。「あなたが想像している以上に、色々な事を知っているの。でも、その前にちょっとしたテストをしなければならない。それに合格すれば、あなたの求める秘密を明かすわ」
サリナは警戒していたが、もう引き返せないところまで来ていることを知っていた。
「どうすればいいんですか?」
カサンドラは手を差し出し、その中には小さな金色の鍵が入っていた。「この鍵は、あなたが求める答えに導いてくれるでしょう。でも、大事に使わなければならないし、それを奪おうとする者にも気をつけなければならない」。
サリナはその鍵を手にすると、興奮のあまりその場を立ち去ろうとした。しかし、立ち去ろうとしたその時、カサンドラが声をかけてきた。
「サリナ、この鍵は一度しか使えない。賢い選択をしなさい」。
サリナは、爽快感と不安の両方を感じながら、アパートに戻っていった。しかし、その鍵が自分をどこへ導いてくれるのか、見当もつかない。しかも、その手がかりがどこにあるのか、まったくわからないのである。
翌日、サリナは旅に出た。カサンドラが教えてくれた道順に従って、街中を歩いていく。窓は板で塞がれ、ペンキがはげ落ちた古びた家にたどり着いた。
サリナはしばらく迷ってから、鍵を差し込んだ。鍵はゆっくりと回され、ギシギシと音を立てて扉が開いた。その部屋には、これまで研究してきた古代文明の書物や遺品がたくさんあった。そして、その部屋には、これまで研究してきた遠い昔の文明の書物や遺物が所狭しと並べられていた。
研究を始めようとしたその時、首に激痛が走った。意識が遠のいていくのを感じながら、地面に倒れこんだ。目を開けると、そこには勝ち誇ったような表情をした人影があった。
「このバカ。私たちを出し抜けるとでも思ったの?」。
サリナは声を出そうとしたが、その声は弱々しく囁くようにしか聞こえなかった。カサンドラは敵の手先だったようだ。
その人物はサリナの手から鍵を取り上げると、残酷な笑いを浮かべた。「カサンドラの言うことを聞いていればよかったのに」と彼らは言った。
「お前はチャンスを無駄にした」
そう言って、その人物は部屋を出て行き、サリナは部屋で1人倒れていた。
その時、サリナは、自分の力が失われていくのを感じながら、後悔の念に駆られた。自分の知識の探求に集中するあまり、自分を助けようとしてくれた人たちの警告を無視してしまった。そして、もう手遅れだった。
最後の瞬間、サリナは自分が研究中に学んだことを思い返した。知識は両刃の剣であり、それを使う人によって善にも悪にもなる。
自分が発見した知識は、誰かの役に立つだろうか、世界をより良くするものだったのだろうか。
今、彼女にできることは、目を閉じ、暗闇に身を任せることだけである。