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陸(りく)「その時俺は気づいたんだ。この船の中に犯人がいることを!」
美月(みづき)「まさか! そんなはずないわ! だって、だって、ここにいるのは皆、私の同級生なのよ? どうしちゃったの陸? なにかの勘違いじゃない?」
陸「美月、落ち着けって。でもどう考えたってこの豪華客船は殺人が起こってから誰も降りていないんだ。外は海なんだからね」
美月「でも、飛び込んだってことは考えられない? 誰かが春香を殺して、そのまま自分は逃げるために飛び込んだとか」
陸「乗船時に全員名前を確認してるし、不審人物がいたと聞いてもいない。その可能性はかなり低いと思うよ」
美月「でもなんだか信じられないよ。でも陸は数々の事件を解決してるしな……。それで、陸の推理はどんなものなの?」
陸「俺の推理は、みんなで犯人を殺したんじゃないかっていうことだよ」
美月「み、みんな……!? みんなってどういうこと!?」
陸「全員で共謀して春香を殺したんじゃないかってことだよ!」
美月「そんな悲しいことある? 私は信じないわ! 一体どうやったっていうの?」
陸「俺がシャワーを浴びている間に、風呂に沈めたのさ。ここはシャワー室と大浴場がかなり離れている。俺がシャワーを浴びている間は水の音はかき消され、更に大海原では波の音もある。それが一番好都合なんだ」
美月「そんな……でも、証拠が無いわ! そんな証拠、どこにあるっていうの?」
陸「あるんだよ、それが」
美月「えっ?」
陸「自分の右手首のリストバンドを外してみろ!」
美月「っ!?」
陸「そこにはっきりとした傷があるはずだ! 春香が溺れながら必死にしがみ付いた痕跡だ!」
美月「そ、そんな。馬鹿言うんじゃないわよ。これはたまたま猫に引っかかれて怪我しただけだし」
陸「猫? 猫なんかどこにいる? この客船には動物はいないぞ?」
美月「いや、うちで飼ってる猫よ。陸も知ってるでしょ? シャムネコのルルよ!」
陸「乗船当初はそこには傷は無かったぞ?」
美月「へっ?!」
陸「乗船してすぐに写真を撮ったけど、右手首は綺麗じゃないか!」
美月「……しょうがないわね。皆で共謀したけど、やったのは私よ。くそっ!」
陸「待て! 逃げるな! そっちに行ったら危ないっ!」
美月「海に飛び込んでやる! これで全ておしまいだわ。あはははは!」
陸「よせ、早まるな! まだやり直せる! 罪を償ってまた頑張ればいいじゃないか!」
美月「何を他人事みたいに言ってんのよ! あんたも一緒よ?」
陸「へっ?」
美月「あんたも一緒に海に飛び込むの! せーのっ」
陸「わあああああ!!」