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【フリー台本】過去への願い (女性 | 5分以下)

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大昔の研究者、ひいひいひいひいひいひいおじいちゃんへ

ずーっと先の孫のエリです。

過去へ届けるためにこの手紙を書いています。

おじいちゃんが発展させた技術や生活についてお知らせします。

今日もほんとにいい天気です。
100年前、太陽の電源を入れれば一日中明るくて、夜っていう概念がなくなったから便利になりました。

あと、雨は水不足にならない程度に天気屋さんが雨を降らせてくれるからありがたいです!
 

過去から考えたら、現代は物凄く進んでいるのでしょう。

仕事の内容も大きく変わりました。

昔は人間が荷物を運んでいたらしいですね。考えられないです。

今は遠隔で「ありがとうございました!」って言うことだけが仕事になりました。

本当ならこんな言葉さえいらないのかもしれないけど、この仕事だけが残ったのが不思議でしょう。

人間は「人との触れ合い」を大切にしたがるから、コミュニケーションだけは残さないといけないんですって。

だから世界中でこの仕事だけは残っているんです。

今じゃ人間に必要とされる能力は愛想だけになりました。

お父さんの会社の仕事も、お母さんのパートも、全部「おはようございます」「こんにちは」「さようなら」だけです。

昔は「こんばんは」という言葉があったらしいですね。

今は夜が無いので、その言葉は古文の中の単語でしかありません。

「こんにちは」「さようなら」も、ただ手を振っているだけです。

これだけで生活が成り立っています。

子供達は学校で沢山のことを勉強してるのに、大人になったら使わないなんて、悲しいと思いませんか?

それに、平均寿命も縮んでいます。

今は50歳以下です。

おじいちゃんの頃は80歳くらい、長いと100歳まで生きていたそうですね。

生涯簡単な挨拶しかしないから、脳が弱って早死にするんだそうです。

こんなの悲しすぎます。

 

この前、おばあちゃんが亡くなりました。

48歳でした。

おばあちゃんは生涯、本屋さんで挨拶の仕事をしていました。

もっと長く生きていて欲しかった。

そう思って沢山泣きました。

 

私からのお願いです。

研究者のおじいちゃんには、今すぐ研究のスピードを落として欲しいのです。

技術の進歩が、私達地球人の首を締めました。

努力の先には必ず幸福が待っているとは限りません。

やりすぎてもいけないのです。

私達の未来を奪わないでください。

エリ

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